ピラティスとヨガは、どちらも心身の健康をサポートするエクササイズですが、その成り立ちや目的、効果には明確な違いがあります。
本記事では、ピラティスとヨガの基本的な違いと共通点を解説し、それぞれの特性を踏まえた目的別の選び方について詳しくご紹介します。
また、東京都内でピラティススタジオを探している方のために、おすすめのスタジオをご紹介している記事もございます。
これからピラティスを始めたいと考えている方はぜひご覧ください。
ピラティスとヨガの基本的な違いと共通点を解説
ピラティスとヨガは、どちらも呼吸を重視し、柔軟性や筋力向上を目指すエクササイズですが、目的や方法には違いがあります。
この章では、ピラティスとヨガの成り立ちや違い・共通点について見ていきます。
ピラティスとヨガの成り立ちの違い
ピラティスは、第一次世界大戦中にドイツ人のジョセフ・ピラティスが負傷兵のリハビリのために考案されたエクササイズです。その後、ダンサーやアスリートのトレーニングとして発展し、現在は体幹強化や姿勢改善を目的としたエクササイズとして日本国内でも人気となっています。
一方、ヨガは約4500年前のインドで修行法の一環として誕生したエクササイズです。呼吸法や瞑想を通じて心と体の調和を目指し、精神的な安定を重視することを基本的な目的として行われてきました。
ピラティスとヨガの基本ポーズと目的の違い
ピラティスでは、インナーマッスルを意識した動的なエクササイズが特徴で、体幹の安定や姿勢改善を主な目的とします。
一方、ヨガはポーズ(アーサナ)を一定時間静止させて、より呼吸を深めながら動作を繰り返します。そのためピラティスに比べて心身のリラックスや柔軟性の向上を目指す違いがあります。
共通する効果
ここまでピラティスとヨガの基本的な違いについて解説してきました。
ただし、ピラティスとヨガのいずれも、主に以下に示すような共通する効果が期待できます。
- 柔軟性の向上:筋肉を伸ばし、関節の可動域を広げます。
- ストレス解消:呼吸を意識することで心を落ち着かせます。
- 姿勢改善:体の歪みを整え、体幹を鍛えることでバランスの取れた体を作ります。
- ダイエット効果:全身を動かし、有酸素運動としても活用できます。
このように、得られる効果だけを見ると両者の違いは分かりにくいかもしれません。しかし、趣味や嗜好の違い、さらにはどのような目的を最優先するかによって選び方は異なります。
この後も、ピラティスとヨガの違いについて詳しく記載するので、それらを参考に、自分に合ったものを選ぶと良いでしょう。
ピラティスとヨガの呼吸法と動きの違い
ピラティスとヨガの大きな違いとして呼吸法と動き方にあります。
ここではピラティスとヨガにおける「呼吸法の違い」「動き・ポーズの違い」について解説していきます。
胸式呼吸と腹式呼吸の違い
ピラティスの胸式呼吸では、酸素の吸収効率を高めるために鼻から息を吸い、口から吐き出します。この呼吸法により、交感神経や脳が活性化し、筋肉が動きやすくなるため、集中力が向上し、身体をエネルギッシュな状態に導きます。
一方、ヨガでは腹式呼吸が基本です。横隔膜を使って息を吸う際にお腹を膨らませ、吐く際にはお腹を引き締めることで、心を落ち着かせる効果があります。
また、ヨガの一部の流派では胸式呼吸やその他の特殊な呼吸法が採用されることもあり、目的に応じて柔軟に選べる点が魅力です。
ピラティスの動きとヨガのポーズが重視するもの
ピラティスのエクササイズは、常に流れるように動き続ける点が特徴で、動作のコントロールと精度が重視されます。
胸式呼吸を用いながら背骨や関節の動きを意識的に調整し、インナーマッスルを効果的に鍛えることが目的です。
この動きの中では「質」が重要視され、微細な動きへの集中によって脳と筋肉の神経系を活性化させ、日常生活やスポーツにおけるパフォーマンスの向上も期待されます。
一方、ヨガのポーズは静止を基本とし、深い呼吸とともに身体をストレッチすることで柔軟性を高めます。
ポーズを保持することで筋肉をしっかりと伸ばし、関節の可動域を広げる効果があります。また、ポーズのシークエンス(流れ)には意味があり、全身のバランスを整えつつ精神面でのリラックス効果を得られる構成となっています。
このように、ピラティスが「動」を通じて身体を整えるのに対し、ヨガは「静」を通じて心と体の調和を図る点が大きな違いです。
呼吸法が及ぼす身体と心への効果
ピラティスとヨガの違いとして呼吸法であり、それに伴って動きも異なると先述してきました。
ここでは、胸式呼吸と腹式呼吸のそれぞれの身体と心への効果について再度まとめていきます。
ピラティスで活用される胸式呼吸では、肋骨を広げることで肺を膨らませ、交感神経を活性化させます。この結果、血液中の酸素濃度が上昇し、基礎代謝が向上します。
一方、ヨガで主に使用される腹式呼吸では、横隔膜を動かして肺を大きく膨らませることでリラックス効果が得られます。副交感神経を優位にする作用があり、疲労回復やストレス軽減、不安の緩和、さらには免疫力の向上といった効果が期待できます。
どちらの呼吸法もエクササイズにおいて重要な役割を果たしており、目的やその日の体調に応じて使い分けることで、より多くの恩恵を得ることができます。
ピラティスとヨガはどっちが痩せる?ダイエット効果を比較
ピラティスとヨガはどちらもダイエットに効果があるとされていますが、それぞれのアプローチと効果には違いがあります。
ここでは、ピラティスとヨガのダイエット効果における違いを解説していきたいと思います。
カロリー消費の違いとダイエットメリット
結論として、ダイエット効果に関してはピラティスの方が優れていると言えるでしょう。
どちらも呼吸に重点を置いたエクササイズであり、呼吸を深めることで横隔膜などの活動が促進され、内臓やインナーマッスルの働きが活発になるため、基礎代謝の向上が期待できます。
ちなみに、基礎代謝に占める割合としては筋肉活動よりも内臓の活動の方が大きいため、ピラティス・ヨガのいずれも筋肉を単に鍛えるだけではない独自のダイエット効果を持つと言えます。
特に、ピラティスはヨガよりもアクティブで動的なエクササイズが特徴であり、呼吸によるダイエット効果に加えて、運動量の観点からカロリー消費量が比較的高いとされています。
一方、ヨガは静的なポーズを中心に行うため、運動によるカロリー消費量はやや少ないものの、ピラティスよりも呼吸法による基礎代謝向上の効果が期待できます。
どちらも筋力トレーニングとは異なるダイエット効果を持っていますが、総合的に見るとピラティスの方がダイエット効果が高いと言えるのはこのためです。
体幹強化とボディラインの変化
ピラティスは体幹のインナーマッスルを重点的に鍛えるため、姿勢の改善やボディラインの引き締めに効果的です。
特に、骨盤の位置を整えることで、全体的なプロポーションの向上が期待できます。
ヨガでも体幹を鍛える効果はありますが、柔軟性やバランス感覚を重視するため、よりしなやかなボディラインを目指す方にはピラティスが向いています。
柔軟性と筋肉バランスで得る健康効果
ピラティスでは、筋肉の柔軟性を維持しつつ、全身の筋肉をバランスよく鍛えることができます。
これにより、怪我を予防し、日常生活での動きやすさが向上します。ヨガは、ピラティスに比べて筋肉を鍛える要素は少し弱いですが、深いストレッチ効果により筋肉の緊張をほぐし、関節の可動域を広げることで、全身のリラクゼーションと心身の調和を促します。
どちらも健康促進に効果的ですが、目的や好みに応じて選ぶことが大切です。
初心者におすすめ!ピラティスとヨガの選び方
ここまでヨガとピラティスの違いについて解説してきましたが、初心者にとって、ピラティスとヨガのどちらを始めるべきか迷うことが多いことでしょう。
ここでは、ピラティスとヨガそれぞれに向いている人と不向きな人について解説し、それぞれの選び方について解説します。また、初心者がピラティスとヨガを始める際のステップと注意点も詳しくご紹介します。
ピラティスが向いている人
ピラティスは、以下のような目標や悩みを持つ方におすすめです。
- 姿勢を改善したい方:骨盤や背骨の位置を正しく整え、美しい姿勢を目指したい方。
- 体幹を鍛えたい方:インナーマッスルを強化し、基礎代謝を向上させたい方。
- 運動量を求める方:しっかりとした運動感覚を得たい方。
- リハビリを目的としたい方:身体を無理なく動かし、回復をサポートしたい方。
- ストレスを発散したい方:集中力を高める動作で心身をリフレッシュしたい方。
- 全身のバランスを整えたい方:体の左右の筋力バランスや姿勢を整えたい方。
ピラティスはリズミカルな動きで全身を使いながら鍛えるため、運動不足を解消したい方やバランスの取れた筋力を付けたい方はピラティスを選ぶと良いでしょう。
ヨガが向いている人
ヨガは以下のような目的を持つ方に適しています。
- 心を落ち着かせたい方:瞑想や深い呼吸を通じてリラックス効果を得たい方。
- 柔軟性を向上させたい方:筋肉や関節を柔らかくし、バランス感覚を養いたい方。
- 精神的な成長を求める方:自分と向き合い、心身の調和を深めたい方。
- 体力に自信がない方:ゆっくりとした動きから始められるエクササイズを求める方。
- ホルモンバランスを整えたい方:リラクゼーションを通じて心身の健康を保ちたい方。
- 新しいチャレンジを楽しみたい方:多彩なポーズや流派に挑戦してみたい方。
特にストレスが多い方や精神的なリラックスを求める方にはピラティスよりも、ヨガを選んでほしいと思います。
初心者がスタートすべきステップと注意点
ピラティスの初心者ステップ:
- 基本動作を確認:まずは簡単な動きと胸式呼吸法をマスターします。
- 無理のない負荷で:軽めの動きから始め、徐々に難易度を上げましょう。
- 専門家の指導を受ける:フォームを確認してもらうために、最初はインストラクターの指導を受けるのがおすすめです。
ヨガの初心者ステップ:
- 呼吸に集中:腹式呼吸を意識してリラックスします。
- 柔軟性に合わせて:無理なくポーズを取ることを心がけ、補助道具を活用しましょう。
- マインドフルネスを大切に:動きに集中し、自分のペースで進めます。
どちらも、楽しみながら長期的に続けることが重要です。自分のライフスタイルや体力に合った方法を選び、少しずつステップアップしていきましょう。
ホットヨガやマシンピラティスなどの種類と特徴
ピラティスとヨガには、それぞれ独自のアプローチがあり、さまざまな種類やスタイルがあります。その中でも「マットピラティスとマシンピラティス」、「通常のヨガとホットヨガ」といった区分が代表的です。
それぞれの特徴を理解することで、これからピラティスかヨガのどちらかを選ぼうとしてる人は正しい選び方ができると思いますので、それらを詳しく解説していきます。
通常のヨガとホットヨガの違い
ホットヨガは、高温多湿の環境で行うため、通常のヨガと比べて発汗量が格段に増えます。これによりデトックス効果が期待できるだけでなく、体が温まりやすいため筋肉が伸びやすくなり、柔軟性を高めやすい環境が整います。
一方、通常のヨガでは、ポーズを通して内面的なリラックスと精神的な調和を重視することが多く、より幅広い年齢層や体力レベルに対応できます。
マシンピラティスとマットピラティスの違い
マットピラティスは、体重を利用して行う基本的なエクササイズが中心で、自宅でも気軽に始められる利便性があります。初心者にとってはマシンピラティスよりも体幹の筋肉がかなり使われるためきついと感じやすいでしょう。
一方、マシンピラティスは専用の器具(リフォーマーやキャデラックなど)を使用するため、レベルに合わせた負荷をかけられたり、動きのサポートを受けることができるため正確なフォームを維持できます。
これらから、自分に合った負荷や正しいフォームで行うことができるので、初心者の方にはマシンピラティスがおすすめです。
その他のプログラム
ピラティスとヨガには、先述したもの以外にも、それぞれ多彩なプログラムが用意されています。
例えば、ヨガではアシュタンガヨガやパワーヨガなど、動きを重視したフィットネス系のスタイルから、リストラティブヨガや瞑想を取り入れたリラックス系のスタイルまで幅広く展開されています。
一方、ピラティスでもトランポリンを使用したジャンプピラティスや、特定の筋肉群に焦点を当てたパーソナライズドプログラムなどがあります。
このように多彩なバリエーションが存在するため、まずは無料体験などに行って、自分の目的や体力レベルに合った方法を選ぶことが可能です。
ピラティスとヨガの健康へのメリット
ピラティスとヨガは、先述してきた、ダイエット効果やストレス解消だけでなく、さまざまな健康面でのメリットを提供します。ここでは、それぞれが持つ健康促進効果についてさらに掘り下げて解説します。
腰痛や肩こりの改善効果
ピラティスやヨガは、どちらもインナーマッスルを強化したり呼吸の改善により体幹を安定させ、腰痛や肩こりの原因となる姿勢の歪みを改善します。
これにより、長時間のデスクワークや日常のストレスによる体の不調を和らげる効果が期待できます。
姿勢や骨盤の安定とリハビリ効果
ピラティスとヨガはどちらも、正しい姿勢や骨盤の位置を意識した動きを取り入れているため骨格全体のバランスを整えます。
また、筋肉の柔軟性を向上させる効果もあり、リハビリの一環として取り入れることで、けがの回復をサポートする方法としても注目されています。
ストレッチによる血流改善と全身のバランス
両者に共通するストレッチ効果は、血流を促進し、新陳代謝を向上させる働きがあります。ピラティスもヨガも、筋肉を適切に動かしながら血流を改善し、特に深層部の筋肉に働きかける点が特徴です。
また、ヨガにおいては全身の緊張を和らげるリラックス効果があり、心身のバランスを整えることにも優れています。
これにより、冷え性やむくみの軽減、さらには全身の活力向上が期待できます。
ヨガとピラティスの違いまとめ
これまでの記事を通じて、ピラティスとヨガの違いについて詳細に解説してきました。ここでは、そのポイントを簡潔にまとめます。
1. 成り立ちと目的
- ピラティス: ジョセフ・ピラティスが第一次世界大戦中にリハビリ目的で考案。体幹の安定や姿勢改善を重視し、動的なエクササイズが特徴。
- ヨガ: インドで約4500年前に修行法として誕生。心身の調和や精神的な安定を目的とした静的なポーズと瞑想が中心。
2. 呼吸法
- ピラティス: 胸式呼吸を使用。交感神経を活性化させ、集中力を高めながらエネルギッシュな状態を作り出す。
- ヨガ: 腹式呼吸が基本。副交感神経を優位にし、リラックス効果やストレス軽減を促進。
3. 動きとポーズ
- ピラティス: 流れるような動きを繰り返し、動作の精度や質を重視。インナーマッスルを鍛え、パフォーマンスの向上や体幹強化に効果的。
- ヨガ: ポーズを一定時間保持し、深いストレッチを行うことで柔軟性を向上させる。精神面でのリラックスや調和が得られる。
4. 健康効果
- 共通点: 柔軟性の向上、姿勢改善、血流促進、ストレス解消。
- ピラティスの特徴: ダイエット効果が高く、体幹強化やボディラインの引き締めに特化。
- ヨガの特徴: 精神的な成長やリラックス効果が大きい。
5. 種類と特徴
- ピラティス: マットピラティスとマシンピラティスがあり、後者は専用器具を使用し、効率的なトレーニングが可能。
- ヨガ: ホットヨガやフィットネス系ヨガ(アシュタンガヨガなど)から、リラクゼーション重視のリストラティブヨガまで多彩なバリエーションが存在。
6. 初心者へのおすすめ
- ピラティス: 運動量を求める方、姿勢改善や筋力強化を目指す方に適している。
- ヨガ: 柔軟性向上やリラクゼーションを求める方、精神的な成長を目指す方に最適。
このように、どちらを選ぶかは、目的や自身の体調、ライフスタイルに合わせて判断するのがベストです。
まずは無料体験や初心者向けのクラスに参加して、どちらが自分に合っているかを試してみるのも良いでしょう。
ピラティスとヨガは、どちらも長期的に続けることで心身に大きな効果をもたらします。それぞれの特徴を活かしながら、楽しく健康的な生活を目指してください。
また、当サイトでは、東京都内でピラティススタジオを探している方に向けて、おすすめのスタジオをまとめた記事をご用意しています。
もしピラティスを受けてみたいという方はぜひ参考にして下さい。
また、ピラティスでもヨガでもなくパーソナルジムを探している方のためにも、東京都のおすすめのパーソナルジム特集記事を用意しております。
パーソナルジムを探している方はこちらをご覧ください。